全国の国有林の範囲がわかるデータです。
農林水産省林野庁が管理している国有林のデータを元に整備された林小班のポリゴンデータです。
主に林業分野で活用されています。
出典の林野庁業務資料からほとんどの項目がそのまま格納されているため、林小班ごとに「管轄する森林管理局」や「林小の番号」、「林小班名称」、「面積歩合が大きい樹種」などの情報が記録されている。
国土数値情報の「国有林野データ」というデータの紹介になります。
国有林とは? 国の所有に属する森林原野であって、国において森林経営の用に供し、又は供するものと決定したもの。もしくは、国の所有に属する森林原野であって、国民の福祉のための考慮に基づき森林経営の用に供されなくなり、国有財産法第3条3項の普通財産となっているもの。 出典:国土数値情報国有林野データ
マッピング例
神奈川県のデータを使用して、国有林の分布状況を地図上で確認してみます。
緑色の範囲が国有林です。
林小班ごとに一つのポリゴンになっているため、拡大すると林小班の形状を確認することができます。
西部の丹沢山地や、南西部の箱根地域に多くの国有林が分布していることがわかります。
次の図面では林小班を属性データで色分けしてみます。
データ内には多くの情報が含まれていますが 、そのうち「機能類型」フィールドの属性値を使いポリゴンの色を変更します。
国有林の機能について 国有林は全域で同じ管理を行うのではなく、森林ごとに重視すべき機能を設定し、その機能を最大限に発揮するための施業が行われます。 例えば「山地災害防止及び土壌保全機能の発揮を第一とすべき森林」(山地災害防止)、「保健、レクリエーション、文化機能の発揮を第一とすべき森林」(森林空間利用)などが国有林に設定された機能です。
この「機能類型」フィールドには、国有林の「重視すべき機能」の情報が属性値として記録されています。
属性値は「水源涵養」、「山地災害防止」、「森林空間利用」など計6種類です。
(参考:機能類型コード 国土数値情報)
林小班のポリゴンをその機能ごとに色分けして表示し、国有林が多く分布する神奈川県西部の丹沢山地周辺を拡大しました。
凡例にはこの図面範囲内にある機能のみが表示されています。
また、位置関係がわかりやすいように山の名称を表示しました。
これも国土数値情報からダウンロードした「山岳メッシュ」データを加工したもので、山名が含まれるメッシュのみを抽出しポイントデータに変換しました。
丹沢山地の国有林の分布を機能別に確認すると、図面右側には白色で表示された「森林空間利用」機能の林小班が多く分布しています。
この範囲は、丹沢主脈から大倉尾根、表尾根にかけての範囲で、新大日(シンダイニチ)、行者岳(ギヨウジヤダケ)、鍋割山(ナベワリヤマ)、塔ノ岳(トウガダケ※データ内での表記のまま)などの山が含まれます。
図面左側には赤色で表示された「山地災害防止(土砂)」機能の林小班が多く分布しています。
この範囲は、甲相国境尾根の北部の範囲で、畦ヶ丸(アゼガマルヤマ)、屏風岩山(ビヨウブイワヤマ)などの山が含まれます。
調査事項
林小班のポリゴン毎に合計33項目が記録されている。
主なものは以下の通りです。詳細は国土数値情報のデータページで確認できます。
- 小班ID
- 当該小班を管轄する森林管理局の識別コード
- 林小班名称
- 当該小班の材積
- 当該小班に生育する樹種のうち、森林計画の樹立年度時点での面積歩合が一番大きい樹種
- 重視すべき機能
- 当該小班の面積
- 保安林に指定されているか否か
出典
データ名:「国有林データ」
原典資料:「林野庁業務資料」
作成元:農林水産省林野庁
更新頻度:-
主な入手先:国土交通省国土数値情報ダウンロードサイト