市区町村ごとに、人口の増減を知ることができるデータの紹介です。

「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」という調査結果では、住民基本台帳に記録された情報を整理・集計した結果が公表されています。

住民基本台帳とは、住民票をまとめたもののことを示します。
市区町村が住民に関する記録を行うために作成するものが住民票です。
住民票には、住民の氏名や生年月日、住所などの情報が記録されています。

引っ越しで異なる自治体に転入するときや転出するときには、新しい自治体で新規に住民票が作成され、もともとの自治体では住民票から記録が削除されます。
また、引っ越し以外でも新しく子供が出生した場合は新規に住民票が作成され、住民が死亡した場合には削除されます。

各自治体では、このように随時住民票が作成したり削除したりされており、そのような情報を整理・集計した結果が「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」として取りまとめられています。
整理・集計されている情報は、毎年1月1日時点の人口及び世帯数と、前年の間の人口の変動です。

今回は大阪府のデータを使用し、市町村ごとの人口の増減を地図上で確認します。

住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査の2020年の調査結果に含まれる「【総計】市区町村別人口、人口動態及び世帯数」というデータの紹介になります。

マッピング例

大阪府の市町村ごとの人口増減率

まずは、大阪府内の市町村ごとに「増減率」を地図上に表示してみます。
増減率は、1年間の転入超過数を各市町村の総人口で割って計算した数値です。
転入超過数とは、転入などで新規に住民票に記載された住民数から、転出などで住民票から削除された住民数を引いた数です。住民の増減を示しています。

青系統の色が濃い市町村は減少幅が大きく、赤系統の色が濃い市町村は増加幅が大きくなっています。

大阪市中心部から北部にかけて転入超過数が多い市区が広がっています。
大阪市周辺以外では、大阪府北東部の島本町でも転入超過数が多いことが確認できます。

島本町は大阪市中心部からは数十キロ離れており、人口が約3万人とそれほど大きくない自治体です。
ウイスキーの「山崎」を生産するサントリーの山崎蒸溜所があることで知られています。

隣接している高槻市や牧方市では人口が減少する中異例の増加率で、今回使用した2020年の調査結果では、大阪市以外では最も高い増加率となっていました。

大阪市の行政区を含めても、大阪市福島区、浪速区、中央区、西区に次いで5番目の増加率です。
この増加傾向は近年顕著になっており、前年の2019年の調査結果では、大阪市以外では最も高い増加率であることは同様ですが、行政区を含めた順位では、7番目となっています。
そのさらに前年の2018年の調査結果では、大阪市以外の複数の自治体よりも増加率が下回っており、大阪市の行政区を含めた順位では、26番目となっています。

島本町の人口増加の理由は、大阪市と京都市へのアクセスが良くベットタウンとして住宅の開発が進んでいることです。
特にここ数年の間で、大型マンションを含む住宅が多く建設されており、それを反映して2020年の調査結果において非常に高い増加率となったようです。

人口の増減には、「自然増減」と「社会増減」の大きく二つにわけて考えられます。
「自然増減」は出生による増加や死亡による減少による増減、「社会増減」は転入や転出による増減です。

この図では、これらを合算した増減率を表示しましたが、自然増減と社会増減に分けた数値もデータには含まれています。

大阪府の市町村ごとの自然増減率

続いて、同じく大阪府内の市町村ごとに、「自然増減率」を示しました。

この図では、自然増減数を各市町村の総人口で割って計算した「自然増減率」に応じて色を付けました。
最初の図と同様、青系統の色が濃い市町村は減少幅が大きく、赤系統の色が濃い市町村は増加幅が大きくなっています。

この図では、初めに示した図と比べると青系統の市町村がとても目立ちます。人口の増加を示す赤系統の色は大阪市中心部にわずかにあるのみです。

大阪府全自治体の合計では自然増減数は「-27,682人」となっています。
つまり、出産により増加する人口よりも死亡により減少する人口が多く、人の移動がないと仮定すると、1年間で3万人弱が減少するということになります。

大阪府の市町村ごとの社会増減率

この図では、社会増減数を各市町村の総人口で割って計算した「社会増減率」に応じて色を付けました。
青系統の色が濃い市町村は減少幅が大きく、赤系統の色が濃い市町村は増加幅が大きくなっています。

自然増減率の図と比べ、赤系統の市町村がとても目立ちます。
大阪市はほぼ全域で真っ赤になっており、その周辺の自治体でも赤やオレンジ色で、人口の増加数が多いことが確認できます。

大阪府全自治体の合計では社会増減数は「28,319人」となっており、転出していく人口よりも新たに転入してくる人口が3万人弱多いことになります。

なお、自然増減数と社会増減数を合わせた数字では637人の増加となっており、大阪府全体ではわずかに人口が増加していました。

調査事項

市区町村毎に以下の通り、男女別の人口や「住民票記載数」、「住民票消除数」などの情報が調査されています。

「住民票記載数」は、新規に住民登録された人数です。以下の分類で集計されています。

  • 転入者数(国内)
  • 転入者数(国外)
  • 転入者数(計)
  • 出生者数
  • その他(計)
  • 住民票記載数計(A)

「住民票消除数」は、住民票を削除された人数です。以下の分類で集計されています。

  • 転出者数(国内)
  • 転出者数(国外)
  • 転出者数(計)
  • 死亡者数
  • その他(計)
  • 住民票消除数計(B)

その他に、以下の集計結果も記載されています。

  • 増減数(A)-(B)
  • 増減率
  • 自然増減数
  • 自然増減率
  • 社会増減数
  • 社会増減率

出典

データ名:「【総計】市区町村別人口、人口動態及び世帯数」
調査名:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査
作成元:総務省
更新頻度:1年に一度
主な入手先:e-stat「統計で見る日本 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」