国勢調査の「移動人口の男女・年齢等集計に関する集計」という分類に含まれる「5年前の常住地(6区分),男女別人口(転入)-町丁・字等」というデータの紹介です。
小地域(町丁字)ごとに、現在居住している住民が5年前に居住していた場所を調べています。

これにより、他の都道府県から人が集まる地域、同じ市区町村内での移動が多い地域などの傾向を想定することができます。

マッピング例

自市区町村内+自市内他区 min
5年前には同じ市区町村内の別の場所に居住していた人の割合

過去5年間の間に、同じ市区町村内で引っ越しをした人の割合を示した地図です。

福岡県内の小地域(町丁字)毎に、総人口に対する「5年前には、現在生活している市区町村内の別の場所に居住していた人」の割合を計算しました。
赤系統の色の地域は、過去5年間の間に同じ市区町村内で引っ越しをした人の割合が高い地域です。

福岡県の人口上位5都市の市境界を表示してみると、これらの赤い地域は福岡市や北九州市などの大都市圏に多く、同じ都市圏内での人の移動が多いことが考えられます。

他県 min
5年前には他県に居住していた人の割合

同じく福岡県内の小地域(町丁字)毎に、「5年前には他の都道府県に居住していた人」の総人口に占める割合を示しました。
赤系統の色の地域は、「5年前には他の都道府県に居住していた人」の割合が高い地域です。

この図では、福岡県の人口上位10都市の市境界を表示してみました。
福岡市中心部で赤系統の色が目立ちますが、福岡市への通勤率が高い春日市や大野城市もおいても赤系統の色の地域が目立っています。
福岡市中心部の会社への就職や転勤、大学などへの進学のため他県から引っ越してきた人が多いことが考えられます。

一方で、同じく福岡県内の大都市である北九州市では、赤系統の色の地域があまり目立ちません。就職や進学で北九州市へ引っ越してくる人は、福岡市ほど多くないようです。
また、福岡県南部筑後地方の中心都市である久留米市においても中心部で赤系統の色の地域が目立っています。就職などのため、隣接する佐賀県などから人が集まってきているのでしょうか。

現住所 min
5年前も現住所に居住していた人

この図では、同じく福岡県内の小地域(町丁字)毎に、「5年前も現住所に居住している人」の総人口に占める割合を示しました。
赤系統の色の地域は、「5年前も現住所に居住していた人」の割合が高い地域です。

上の二つの地図とは異なり、主要都市以外の特に南部や東部の山間部において赤系統の色の地域が目立ちます。

調査事項

小地域(町丁字)毎に以下の分類ごとの人口が男女別に調査されています。

a.常住者(=b+c+h+i+j)
b.現住所
c.国内(=d+e+f+g)
d.自市区町村内
e.自市内他区
f.県内他市区町村
g.他県
h.国外
i.5年前の常住市区町村「不詳」
j.移動状況「不詳」

※わかりやすいようにa~jの記号を割り当て、aとcについてはその内訳を示しました。

出典

データ名:「居住期間(6区分),男女別人口 -町丁・字等」
調査名:国勢調査
作成元:総務省
更新頻度:5年に一度
主な入手先:e-stat「統計で見る日本 国勢調査」