このデータでは、小地域(町丁字)ごとに居住者の総人口と外国人の人口が調べられています。これにより、居住している外国人の割合が高い地域を知ることができます。

今回は、例として全国の都道府県の中でも、特に外国人比率が高い県として知られている群馬県のデータを使用して、小地域ごとの外国人の割合を地図上で確認してみます。

国勢調査の「人口等基本集計に関する集計」という分類に含まれる「年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等」というデータの紹介になります。

マッピング例

人口密度 min
群馬県内の小地域ごとの人口密度

まずは、群馬県内の人口密度を地図上に表示してみます。
小地域(町丁字)ごとに、総人口を面積で割って人口密度を計算し、人口密度に応じて色をつけました。
赤系統の色の地域が、人口密度が高い地域です。

群馬県内で特に人口が多い4つの市の市境界も表示しました。
人口密度が高い地域は主に群馬県南部に集まっていることが確認できます。

外国人の割合 min
総人口に対する外国人の割合

同じく群馬県内の小地域(町丁字)毎に、「外国人の人口」が総人口に占める割合を示しました。
赤系統の色の地域は、「外国人」の割合が高い地域です。

人口密度と異なり、一部の地域に偏るのではなく、局所的に赤系統の色の小地域が存在していることがわかります。
この図では、特に赤系統の色が目立つ8つの自治体の市町村境界を表示してみました。

群馬県南部に集まっている「伊勢崎市」、「太田市」、「大泉町」、「千代田町」、「館林市」の5市には、大規模な工場や工業団地が立地しており、そこで働くため海外から移住してきた外国人や技能実習生が多く居住しています。
群馬県内で最も外国人の割合が高い自治体である大泉町では、なんと総人口の約5人に1人を外国人が占めています。

「昭和村」、「嬬恋村」の二つの村は、農業が盛んな自治体で、農業実習生として外国人が多く居住しています。
群馬県内で2番目に外国人の割合が多い自治体である昭和村では1990年代から農業実習のため外国人実習生を受け入れています。
嬬恋村は、日本一のキャベツの産地として有名で、嬬恋村産のキャベツは全国の総出荷量の半分を占めるほどです。ここでも昭和村と同じく、多くの農業実習生が繁忙期の農作業を手伝っています。

最後に、群馬県最北端にある「みなかみ町」ですが、他の自治体と異なり工業団地や広大な農地があるわけではありません。
そのため、上で出てきた自治体のように、工場の労働者や農業実習生として多くの外国人が居住しているわけではありません。

渓谷や滝を含む激流を体験できる利根川源流部の自然環境や、温泉、スキーなどの観光資源があるみなかみ町は、海外からの観光客の誘致のため積極的に活動していたりしています。
さらに、移住者の受け入れに力を入れており、海外からの観光客向けのサービスを提供する会社で働く外国人が多く居住しているようです。

このような理由で、群馬県内でも総人口に対する外国人の割合が比較的高い自治体となっていると考えられます。

調査事項

小地域(町丁字)毎に以下の分類ごとの人口が男女別に調査されています。

  • 各年齢層の人口:「0~4歳」「5~9歳」「10~14歳」・・・・「100歳以上」と5歳区切り、「15歳未満」、「15~64歳」、「65歳以上」、「75歳以上」、「85歳以上」
  • 総年齢・平均年齢
  • 外国人

出典

データ名:「年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等」
調査名:国勢調査
作成元:総務省
更新頻度:5年に一度
主な入手先:e-stat「統計で見る日本 国勢調査