土の性質がわかるデータを紹介します。
農業分野や地域計画等で利用される土壌図という土壌の種類ごとにエリアを示したデータです。

持続的な農業や土地の有効活用を進めるためには土壌の種類や性質に応じた管理を行う必要があり、土壌図を利用して土壌の種類や分布状況を把握することが求められます。

地形や気象の条件が同じで環境は多くありますが、多く作られる農産物が異なる事例は多くあります。その違いは水分の条件を含む土壌の影響が大きいと考えられており、その土地にあった農産物を栽培するには、土壌を確認することが大切です。

今回は、農地の区画情報(筆ポリゴン)(市町村別):オープンデータ紹介で紹介した熊本県宇城地域を例に土壌図を紹介します。
土壌の分布を確認するだけでなく農地の分布状況と重ね合わせることで、土壌の種類と農地の利用状況の関係についても確認してみます。

土壌図は国土調査法という法律に基づいて実施されている土地分類基本調査という調査の調査項目の一つとして実施されています。

作成されている土壌図は三つの種類があり、国が作成している土壌図が2種類(50万分の1と20万分の1)、これ以外に都道府県が作成している5万分の1の土壌図があります。そして、国が作成している土壌図の全てと、都道府県が作成している土壌図の一部がGISデータとして公開されています。

出典:土地分類調査・水調査 土壌図 国土交通省

マッピング例

今回は20万分の1土壌図のデータを使用して、熊本県宇城地域の土壌の種類と分布状況を確認します。

熊本県宇城地域の土壌の種類と分布状況 min
熊本県宇城地域の土壌の種類と分布状況

様々な色で地図が塗られていますが、ピックアップすると、宇城地域中央部に水色と緑色、西側の宇土半島周辺の周辺部に紫色、宇土半島中央部と宇城地域の中央部から東側にかけて茶色が特に目立ちます。

農地の種類(耕地の種類別) min
熊本県宇城地域の耕地の種類別の農地分布

これは農地の区画情報(筆ポリゴン)(市町村別):オープンデータ紹介で確認した熊本県宇城地域の農地の分布状況で、宇城地域の耕地の種類の傾向は西側の宇土半島では畑が多く、中央部では田が多く、東側では畑と田はどちらもまばらに分布していました。

それでは、この地図に土壌の分布を重ね合わせてみてみましょう。

熊本県宇城地域の土壌と農地の分布状況 min
熊本県宇城地域の土壌と農地の分布状況

畑の分布と土壌の分布を確認します

西側の宇土半島に多くある畑は紫色で表示された土壌である「未熟土」の範囲に特に集中して分布していることがわかります。

未熟土は、山地、傾斜地、海岸に主に分布する土壌で、土層が薄く一般に保肥力は低いですが、排水性が良いという性質を持っています。
この地域では柑橘類が多く栽培されています。栽培に水はけのよい土壌が適している柑橘類にとっては、排水性のよい未熟土は相性の良い土壌であることから、畑が集中していると考えられます。

宇土半島では畑は他に褐色森林土にも分布しています。褐色森林土は、山地や丘陵地に広く分布する土壌で、日本の国土の30%程度を占めています。特に近畿以西で多い土壌で、熊本県宇城地域にも広く分布していることが土壌図からわかります。一般的に畑や樹園地として広く利用されている土壌であり、宇城地域においても畑として多く利用されていることがわかります。

田の分布と土壌の分布を確認します

宇城地域の中央部に多くある田は、緑色で表示された土壌である「グライ土」と水色で表示された土壌である「灰色低地土」に特に集中して分布していることがわかります。

グライ土は、水はけの悪い土地で見られる地下水により水浸しの土壌です。土壌中で酸素が不足しており、土壌内では、化学反応により緑灰色や青灰色といった色合いを示しています。河川や海岸近くの低地部に多く、日本では多くが水田として利用されています。

灰色低地土は、季節的な地下水の変動等により年間の特定の時期に土壌が水分で飽和される土壌です。海岸や河岸平野などの低地に広く分布しており、日本の水田の代表的な土壌として利用されています。

日本では水田として多く利用されているこの二つの土壌が、宇城地域においても田として多く利用されていることがわかりました。

調査事項

土壌の分類ごとの範囲が調査されています。
土壌の分類は今回示した分類の他に、さらに詳細な分類によるものを含まれています。

出典

データ名:「20万分の1土地分類基本調査 土壌図」
調査名:国土調査(土地分類調査・水調査)
作成元:国土交通省
更新頻度:定期更新はされていない
主な入手先:土地分類調査・水調査 土壌図 国土交通省

参考資料