オープンデータを使用して、あなたが営業している店舗周辺の将来人口を予測し、将来的な人口変動の傾向を確認することができます。

その地域の人口が将来増加するのか、年齢構成はどのように変わっていくのか、その地域の傾向を把握することが可能です。

今回は、「国立社会保障・人口問題研究所」のHPで公開されている計算方法を使って地域の将来人口を予測する方法を紹介します。

将来の推計人口とは

将来の推計人口は、「国立社会保障・人口問題研究所」という機関により国勢調査の結果を元に計算された結果が公開されています。

最新の推計結果はこちらのページで確認でき、2015年の国勢調査結果を元に2045年までの人口を5年ごとに計算した推計結果が公開されています。

公開されている推計結果には、日本全国の人口だけでなく都道府県別の人口も含まれます。

都道府県別の推計結果はこちらのページで確認できます。

さらに、「国立社会保障・人口問題研究所」のHPでは、推計結果だけでなく、具体的な計算方法や、計算に使用するパラメータも掲載されています。
これらの情報をもとに、自分で将来の推計人口を計算することも可能です。

この方法を活用すると、あなたが営業している店舗周辺の将来人口を予測し、傾向を確認することができます。
人口が増加する地域なのか、年齢構成はどのように変わっていくのか、その地域の傾向を把握することができるのです。

「国立社会保障・人口問題研究所」のHPで公開されている計算方法を使って地域の将来人口を予測する方法を紹介します。

将来の推計人口の計算方法

計算の基本的な考え方は、地域ごとに設定された出生数や移動人口を使って5年後の人口を計算します。
計算の方法は大きく3つの手順に分けられます。

5歳以上の将来人口を計算する

まず、5歳以上の人口を計算します。「生残率」と「純移動率」という値が用いられます。
「生残率」とは、5年後に生存している割合です。5歳区切りで仮定値が設定されています。
「純移動率」とは、5年後に移動している割合です。5歳区切りで仮定値が設定されています。
基準年の人口をもとに、生残率と純移動率を使って5年後の人口を計算します。
5年後の5~9歳の人口の計算は、以下の計算式になります。

5年後の人口(5~9歳)=基準年の人口(0~4歳)×(生残率(2015→2020)+純移動率(2015→2020))

この計算を以下のように5歳区切りで実行していきます。

5年後の人口(10~14歳)=基準年の人口(5~9歳)×(生残率(2015→2020)+純移動率(2015→2020))

5年後の人口(15~19歳)=基準年の人口(10~14歳)×(生残率(2015→2020)+純移動率(2015→2020))

・・・

0~4歳の将来人口を計算する

続いて0~4歳の人口を計算します。
この年齢層の場合、基準年にはまだ出生していないため、上記の計算式にあてはめることができません。
そこで、「子ども女性比」と「0-4 歳性比」という値が用いられます。

「子ども女性比」とは、母親となる年齢層に対する0~4歳の子どもの割合です。公開されている仮定値では母親となる年齢層を15~49歳として設定しています。
「0-4 歳性比」とは、0~4歳の子どもの男女別の比率です。女性の数に対する男性の数の比率として示されています。

0~4歳の将来人口予測の考え方は、5年後の母親となる年齢層の人口に「子ども女性比」をかけ0~4歳の子どもの人口を計算します。
その計算結果を、「0-4 歳性比」をもとにして男女別に振り分けます。

この計算では男性と女性で計算式が異なります。
まずは女性の場合は以下の計算式です。

5年後の人口(0~4歳女性)=5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比(2015→2020)×{100/(100+0-4 歳性比(2015→2020))}

男性の場合は以下の計算式です。

5年後の人口(0~4歳男性)=5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比(2015→2020)×{0-4 歳性比(2015→2020)/(100+0-4 歳性比(2015→2020))}

将来人口の計算方法のまとめ

計算方法をまとめると以下のようになります。

  • ステップ①.5歳以上の人口

5年前の人口×(生残率+純移動率)

  • ステップ②.0~4歳女性の人口

5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比×{100/(100+0-4 歳性比)}

  • ステップ③.0~4歳男性の人口

5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比×{0-4 歳性比/(100+0-4 歳性比)}

地域の将来人口を予測してみる

紹介した計算式を使用して自分で将来人口を計算してみましょう。
今回は、福岡県北九州市小倉南区を例に将来の人口を計算してみます。

2015年の国勢調査では、総人口は217,170人。男性は102,975人、女性は114,195人です。

総人口を地図上で示すと以下のようになります。

2015年の総人口

こちらから福岡県の仮定値(将来の生残率、純移動率、子ども女性比と0-4歳性比)をダウンロードします。
国勢調査の結果は、こちらから該当地区のデータを持ってきます。

国勢調査の結果をダウンロードしてGIS上で表示する方法は、国勢調査結果をQGISで表示する手順を画像で解説で解説しています。

①~③の計算を行います。
先程示したとおり、計算内容は以下のとおりです。

①5歳以上の人口

5年前の人口×(生残率+純移動率)

②0~4歳女性の人口

5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比×{100/(100+0-4 歳性比)}

③0~4歳男性の人口

5年後の人口(15~49歳女性)×子ども女性比×{0-4 歳性比/(100+0-4 歳性比)}

その結果、2020年の総人口は219,740人、2025年は217,702人、2030年は221,318人、2035年は226,165人、2040年は231,118人、2045年は236,234人となりました。

総人口の変化を、地図上で示すと以下のようになっています。

2015年から2045年の総人口の変移

これだけだと、地域ごとの違いが分かりづらいので、人口の増減率を地図上に示してみました。

2045年の総人口を2015年と比較する

地域の南部の地区が特に大きく人口減少しています。北部は逆に増加していることがわかりました。

まとめ

人口予測の計算方法や、計算に使用する仮定値も公開されています。
同じく公開されている国勢調査の結果を利用して、あなたの知りたい地域の将来の人口を計算することが可能です。

年齢層ごとに計算をしていくのはやや面倒ですが、将来どのような人口になり、年齢構成はどうなるのか、知っておくのはとても大切です。

使用したデータ